私たちが活動を始めた2006年は、まだパーキンソン病という病気があることさえご存じない方がたくさんいらっしゃいました。パーキンソン病の方は症状の日内変動が大きいため外出することが難しく、ご本人やご家族が同じ病気の方たちと語り合う場がありませんでした。そこでいつも同じ場所、同じ日、同じ時間に、だれでも気軽に参加できることを目指して「サロン交流会」を続けています。 来ていただける方がお一人だけでも私たちはお待ちしています。
パーキンソン病の方はもちろん、ご家族や専門家の方など多くの方にご参加いただき、日頃の悩みや不安、疑問をお話になるとともに、自慢の趣味を披露する方もおられました。また、感極まって涙する方もおられましたが、勇気をもらえた、わかり合える仲間ができた、出かける目的ができたとの嬉しい感想もありました。その他にも医療講演会、リハビリ勉強会、症例検討会、コンサートなどを開催し、多くのパーキンソン病の方がこういった情報を待ち望んでいることを実感しました。私たちはこういう体験をみなさまと共有できればと思います。
最近は医療情報がネットでたくさん掲載されていますし、iPS細胞のニュースで社会に認知度が高まってきましたが、個々の独特の症状のことは、ご本人やご家族しかわからない話も多く、こういった情報は見つけることが大変です。私たちは社会や地域がパーキンソン病を知って、パーキンソン病の方やご家族が孤立せずに、普通に社会生活を送ることができるために、少しでもお役に立てればと思っています。
NPO法人パーキンソン病支援センター
理事長 寺松由美子