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お助けツール

梅雨入りした途端に、ジメジメと湿度の高い日が始まりました。

パーキンソン病の方は天候が症状に関係しないと言われる方や気温がその日の調子に影響すると言われる方などさまざまです。

 

昨日、パーキンソン病の就労支援ツールを検討するというヒアリングに参加しました。

日常の生活に困ることをヒアリングしたいという主催者の意向なのですが、仕事でなくても生活上パーキンソン病の症状に悩まされることはたくさんありますよね。

仕事の時だけ何かの道具で支援できたらそれで良いということではないように思います。

 

パーキンソン病にとっての「杖」は絶対必要かといえば、そうでもないというのが正直なところだと思います。

なぜなら本当に調子の悪いときに「杖」では役に立たないし、調子の良いときに「杖」は必要がないわけです。

でも「杖」があれば周りの人から障害者と認識してもらえることや自分自身の安心感にもなるのであったほうが良いという道具だと思います。

なので、「杖」の機能を改善することはパーキンソン病の歩行機能を上げる根本的な対策にはならないのです。

 

「アポカイン」という注射型のお薬(緊急時のL-dopa)は発売されたときに、オフの状態が改善されると喜んだ方が多いと思います。

でも、オフの時に自分で注射器を取り出して、自分に打つことができないというガッカリした現象もありました。

 

ツール開発に意味がないとは言えませんが、進行する症状に寄り添っていく物ではないし、就労ということが前提条件であれば、パーキンソン病本来の機能不全を改善しなければ、本人や社会が満足できる結果にはつながらないように思えます。

 

パーキンソン病の方は努力家が多く、社会や家族に迷惑をかけずに生きようと思っておられます。難病の中でもパーキンソン病の就労は困難で、施設や勤務態勢の改良を行っても難しいとする研究がありました。

 

自立生活の一助となる道具が多くあるほど、生活の支援にはなりますが、社会が病気を理解する(名前を知るだけでも)ことで精神的に楽になり、それが意欲につながることを知って頂きたいと思います。

パーキンソン病の方への支援ツールだけでなく、周囲の方が症状に気づき、誰でも簡単に手助けできるツールを検討するというのも一案かと思っています。