「治る」という言葉は色々な方の思いがあるのかもわかりません。
Wikipediaでは「治癒」(治る)とは、傷や病気が完全に治ることを指す、とあります。
以前、ケアマネジャーさんを対象とした勉強会で、アドバイザーの先生が「パーキンソン病はお薬で治ります」と発言されました。
「えっ!」と思いましたが、「治る」=「症状が良くなる」という意味だろうと思います。が、参加したケアマネジャーのアンケートには「パーキンソン病は治ると聞いて、意識が変わりました」とあったので、これはマズイと思いましたがスタッフもアドバイザーの看護師さんもまったく問題にはしていませんでした。私だけ???
「治る」という言葉は難しい・・・
長年会員として頻繁に交流会に参加して頂いていた方が、ある日「病気が治ったので、脱退します」と連絡がありました。その方は軽い脳血管性パーキンソン症候群でしたが、ご自分では「パーキンソン病」と思っておられて、治った⇒脳血管障害が良くなった(パーキンソン病の症状が減った)ことは理解されないままでした。多分今も「パーキンソン病が治った」と思っておられるのでしょうね。
誰でも自分に良いように解釈をしたいものです。
iPS細胞移植手術、DBS(脳深部刺激療法)、デュオドパ(レボドパ・カルビドパ配合経腸用液)についての期待度や関心度を尋ねることがあったときに、2~3人の患者さんでしたが「iPS細胞移植手術は治る気がする」という理由で、iPS細胞移植手術ならやりたいというお気持ちでした。
これはメディアの情報発信にもう少し配慮が必要かと感じます。
書籍やインターネットで「パーキンソン病は〇〇で治る!」という文言が出ます。
リハビリであったり、食事療法であったり、水素、ヨガ瞑想など枚挙に暇がありません。
「治る」という根拠が曖昧な気がします。
専門医(脳神経内科医)の治療を基本に、民間療法なども取り入れて今の症状を和らげて、より良い生活状態にすることはとても良いことだと思います。
以前、脳神経内科医の治療を拒んで民間療法だけで過ごされた方が、どうにもならなくなって脳神経内科医の治療を受けられ、ある程度の症状は改善しましたが進行した状態を戻すことは出来ませんでした。
冷静な情報の解釈が出来なくなっておられたのでしょうか?
良くなりたい(治りたい)と思い、治療や運動、生活に良いものを取り入れていくことは、パーキンソン病だけでなくても元気に過ごすためには大切なことです。
難病だから治らないのだと決めつけて、鬱々とした毎日を送れば、ますます心身は悪くなっていきます。
どんなことでも一生懸命に望む気持ちは通じるのだと思います。
「治りたい」と思って情報を集めて、実践したり、努力する人は進行する速度が遅いように感じますし、何より好感が持てます。応援しようという気持ちになります。
世の中には色々な情報が海の水ほどたくさんあります。
すべての情報を試してみることは出来ないのですから、自分にとって効果があることや、納得できることを冷静に判断するチカラはつけたいと思います。
「難病」は今のところ完治はしませんが、納得のできるモノやコトに出会えたら「心の難病」は回復するかもわかりませんね。
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