サロン交流会200回開催記念

「話して聞いて会withドクター」

水田先生に一問一答!なんでも話します!!

 

 

 

◎すくみ足

offの時に起こるすくみ足は抗パーキンソン病薬の増量が推奨されています。

onの時に起こるすくみ足は投薬もありますが、本人の注意も大切です。

各動作を意識してひとつずつ動作を区切って、慎重に行うことで転倒リスクは減ると思います。

◎しびれ、こむら返り

お薬が切れてくる夜間に不調の起こるときがあります。

飲み薬以外では1日中薬効のある貼り薬で症状が軽減することがあります。

こむら返りには漢方薬も処方します。

◎ジスキネジア

ジスキネジアは血中濃度のピーク時だけではなく、血中濃度の上昇期と低下するときにも起こるようになります。

セロトニン補充薬で不安感を軽減することがありますが、本人がジスキネジアやジストニアを不安視するために余計に症状が起こることもあります。

◎嚥下障害、飲みこみ

お口の体操や発声練習という一般的なリハビリを行うことも大切です。

そのうえでLSVT®LOUDというパーキンソン病のためのリハビリがありますので、資格を持っている言語療法士さんのいる施設でやってみるのも効果があります。

お薬の効きを一定にして、オンの時に食事をとれるようにしましょう。

◎発声障害

小声や声の出しにくさなどは、お薬の効果が低い時に起こりやすいので、できる限り一定に薬効があるように調整することが良いでしょう。

やはりLSVT®LOUDでリハビリを行うと、早口なども改善することがあります。

◎首下がり、腰曲がり

お薬が変わったことで急に起きる首下がりは、お薬の副作用と関係することがあるので、その時には最後に処方された薬を中止することで改善することがあります。

脳神経内科と整形外科に関わる症状を総合的に判断する科はありません。

PDの腰の痛みは姿勢変形からくることが多く、足の付け根から屈折している方が多く見られます。長年かけて起こる首下がりや腰曲がりは、姿勢の悪いことが原因で起こります。

リハビリに効果がありますので、できるだけ緊張しているところを緩めて伸ばすようにしましょう。

 

理学療法士さんの指導と施術が最良の方法と思われます。

また、PDは高齢者が多いので、骨密度(骨粗しょう症)の検査も行って、転倒リスクに備えてください。

◎食事

最近特に腸内環境のことを言われるようになりました。
パーキンソン病は食事内容で特に気にする事はありません。
お薬は小腸で吸収されるので、胃袋にたくさん食事が入っていると胃の中でお薬が小腸にいくまでに分解してしまいます。

満腹状態が続くとお薬が効きにくいので、量や栄養が不安なら数回に分けて食事をされると良いでしょう。

たんぱく質制限は主治医から指導がある方だけで良いと思います。
それよりも筋肉を減らさないように、たんぱく質を取って運動をしてください。

バナナは基本的にお薬に影響はありません。

◎リハビリ

医療保険でリハビリを受けるには難病指医療費助成制度を利用しますが、介護保険もパーキンソン病と診断されるとその段階に応じて介護保険でリハビリを受けられます。

パーキンソン病のリハビリ施設はLSVT®BIGやLOUDを集中的に行うところ、数種のリハビリを組み合わせて行うところ、グループレッスンなどで継続しやすいリハビリを行うところなどがありますので、自分に合ったところを探してみてください。

また、リハビリを行うときはお薬が効いているときに行ってください。

offで身体が動かない時や、曲がったり傾いたままでリハビリをしても効果はありません。

◎服薬

生活の質を落とさないように考えて、必要な時に動けるような服薬が良いでしょう。
主治医に現状を良く伝えて服薬計画を考えるのが良いでしょう。
状況を伝えにくい時は、事前にメモを書いておいたり、スマホで歩行や動作の動画などを記録して見せるのも良いかもわかりません。

外来の間隔が長くて不安というご質問ですが、パーキンソン病は経過の長い病気で急変することは普通ないので、2~3か月毎でも大丈夫です。

普通ではない、おかしい時は連絡のできる方法を主治医と決めておくと良いでしょう。

◎痙性斜頸

痙性斜頸はジストニアの一種ですが、首や肩の筋肉が緊張しているのでボトックスという注射で緊張を緩める方法もありますが、治療は難しいでしょう。

◎サプリメント

サプリメントは医薬品ではありませんので、どんな効果を望んでおられるかわかりませんが、パーキンソン病薬との相性を主治医に相談してください。

 アミノ酸サプリは、大量に摂取すると薬が効きにくくなる場合があるので注意が必要。必ず定量以内で。

◎外科治療

ご質問にある高周波熱凝固術というパーキンソン病のための治療はわかりませんが、高周波熱凝固法は痛みのブロックに使われるもので、局所麻酔薬による神経ブロックよりも長続きすると考えられます。

※高周波熱凝固術は理事長加筆高周波熱凝固法|慶應義塾大学病院 KOMPAS (keio.ac.jp)
パーキンソン病の治療で熱凝固療法(定位脳手術)というのはありますが、高度な技術が必要なので、
DBSとは違い元には戻せない治療であることから、技術力の高い一部の病院でしか実施されていません。

DBSが不適応の方には震えに効果があるというFUS(MRガイド下束超音波治療)が広まりつつあります。

また、ディバイス療法としてデュオドパ配合経腸用液投与というものもありますので、主治医の先生とよく話し合って考えてみてください。

◎PD専門施設

 水田先生の個人的見解として、パーキンソン病は個別の症状がかなり違うので、日常のきめ細かな対応がいります。
有名な先生が顧問だとしても、その先生が診てくれるわけではないので、見学して納得するまで質問をするのが良いと思います。

◎レム睡眠行動障害

就寝中に悪い夢を見て身体が動いたり、叫んだりすることがあります。
立ち上がって自分やパートナーに危険がある場合もあるので、就寝場所に危険な物を置かないようにしましょう。
ランドセンやリボトリールが処方されることがあります。

◎認知症

認知症はあるのですが、アルツハイマーのような典型的な症状ではないので、周囲の方がサポートすれば生活はできていくと思います。

◎園芸療法

園芸や農作業は屋外で身体を動かすことがリハビリになることや、日中に太陽の光を浴びることで一日のリズムが整えられるので、睡眠効果もあります。